僕と息子と釣り針と27 外道編 最終2 [クチボソからナマズまで]
大変ご無沙汰しております。
13日ぶりの更新になりました。
これには深~い事情があったのですが・・・
まぁ早い話が、当時の詳しい経緯を忘れてしまっていたんですねぇ(-_-;)
思い出すのに、大変な時間がかかってしまいました(笑)
情けないはなしです。
たかだか20年ほど前の事を忘れるなんて・・・
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
執行猶予中に罪を犯すと、即刻刑務所行きになってしまう。
家に帰る途中、どうやって切り抜けようかと考えた。
「ザリガニ事件」 の後だし・・・
「まぁ、立派なナマズが釣れたのねぇ!!」
「これって、どうやって食べるの?」
なんて生易しい反応は絶対に無い。
というより、そもそも食べるために釣ったんじゃないし
ヤツが勝手に針に掛かってしまったのだから・・・
「なに考えてるのよ~、うちで飼えるわけないでしょ~!!」
「だいたい何で 『ナマズ』 なのよ~!!」
多分、いや間違いなく99%こう言われるに違いない。
頭の中では、レッド・ツェッペリンの「天国の階段」が響いていた。
ジミーペイジのギターソロが終わらない内に自宅に着いてしまった。
「お母さん。大物が釣れたんだよ!!」
息子はどこまでも脳天気だった。
竹やり一本持ってアメリカ軍と戦うつもりなのだ。
嫁 「へ~、良かったね。で、何が釣れたの?」
息子 「ナマズだよ!!ナ ・ マ ・ ズ !!」
嫁 「・・・」
息子 「見たい?」
嫁 「・・・」
息子 「 でっかいんだよ!!」
嫁 「てか、なんで生臭いわけ?」
息子 「だって、連れて帰ったから!!」
嫁 「・・・」
息子 「水槽で飼おうと思って。ザリガニもいなくなっちゃったし・・・」
嫁 「おのれら、何考えとんじゃ~!!」
息子 「・・・」
それから何時間説教があったのか覚えてないが・・・
とにかく息子は耐えていた。
耐える事しか出来なかった。
耐える事だけは得意だったかも知れない。
その夜の食卓に、ナマズの姿はなかった。
息子の忍耐のお蔭で、ナマズは無事に水槽に入る事を許されたのだ。
忍耐は、時に報われることがあるんですね(-_-;)
それでは、またお会いしましょう。
さいなら、さいなら、さいなら~!!
僕と息子と釣り針と22 釣りの原点3 [クチボソからナマズまで]
埼玉県川口市と言えば鋳物の町として有名な所だ。
そう、1962年日活映画 「キューポラのある街」で舞台となった。
主演はかの吉永小百合さん。
キューポラとは、鋳物を造る為に鉄を溶かす溶鉄炉 の事。
今はどうか分からないが、あの当時は確かに鋳物工場が散見できた。
町の中心から少し離れると、あちらこちらに自然が残っていた。
小さなドブ川や湿地には様々な生き物が生息していたし
子供たちの最高の遊び場で最高の学習の場だった。
おそらく今は、開発の波にのまれて殆ど様変わりしてしまったと思うが・・・
ダイワ(Daiwa) ロッド リバティクラブ エギング 862MH
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
クチボソ釣りが難しいのは、5センチ~10センチという小さな体と
その名前から分かる小さな口が問題なのだ。
フナとかと違って、アタリはほとんど感じられない。
タナゴ針という本当に小さな釣り針を使うのだが
その小さすぎる口にはなかなか掛かってくれないのだ。
しかし釣りとは面白いもので、どんな釣りでもやってるうちに
慣れてくるしコツが分かってくる。
難しければ難しいほど、奥の深さにハマってしまうのだ。
だから、簡単に釣れてはいけないのだ!!
だから、そんな面倒くさい釣りに 女性の愛好者は殆どいない。
銀ブナつりも同じだったが、クチボソ釣りにもそれなりの釣り方があって
それを理解できてないと全く釣れないのだ。
何事にも基本が大事だという事を、あらためて勉強させてもらえた。
しかし、銀ブナ釣りもクチボソ釣りも、特に家族からの非難の的にはならなかった。
あとから考えると、実に平和な遊びだったのかも知れない。
そこで止めておけば良かったのだ。
しかし子供の好奇心とか探求心ってものは
一度火がつくと誰も止められないものだ。
だから事件は起きてしまった!!
釣り禁止命令が出るほどの大事件が・・・
それでは、またお会いしましょう。
さいなら、さいなら、さいなら~!!
僕と息子と釣り針と21 釣りの原点2 [クチボソからナマズまで]
釣りの好きな人でも
「クチボソ」を知ってる人は少ないだろう。
コイ目コイ科モツゴ属。
クチボソ・モツゴ・モロコ等々、日本中で呼び方は様々だ。
昔は佃煮の材料に使っていたらしいが・・・
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇?
銀ブナは難しかった。
初心者親子にはハードルが高い。
そんな事を常連のオジサンに相談すると・・・
オジサン 「だったら簡単で面白い釣りがあるぜ!! 」
息子 「えっ?どんな?」
オジサン 「興味あるかい?、じゃあ教えてやるよ!!」
オジサンが教えてくれたのは、こんな内容だった。
「[×][×]道路の△△交差点を左に曲がると??商店があるから
そこの裏の川へ行くんだ。
小さな川だからな!!。
短い竿とタナゴ針を使え。
でもって、エサはな・・・
オカユ練りを使うんだ!!」
「オカユ練りって?」
「柔らかくおかゆを作って、出来たら卵を混ぜると最高だ。
冷めたらビニール袋に詰めて釣り場まで持っていけ。」
「仕掛けの準備が出来たらビニール袋の先っぽに小さな穴を開けるんだ。
軽く袋を握ってやると穴からオカユ練りが出るから、
それをタナゴ針の先に巻き付けろ。」
「えっ?それで何が釣れるの?」
「ハハッ!それを教えたら面白くねぇだろ~!!」
「・・・」?
って事で、早速次の休みはオジサンの情報を頼りに、
教わった場所に行ってみる事にした。
そこは、住宅街から少し外れた静かな何もない所だった。
畑の間を縫うように小さなドブ川(用水路)が流れていた。
オジサン達が銀ブナを釣っていた日本一汚い川と同じで
川の中は全く 透明度が無く何も見えなかった。
「ここに魚がいるの?」
と言う息子に
「ん~、オジサンが居るって言ってたからねぇ。」
としか言いようがなかった。
とにかく、せっかく来たんだからと釣りの準備開始。
オジサンに言われた通りに短い竿にタナゴ針。
ビニール袋に詰めたオカユ練り。
半信半疑で針を沈めると・・・?
竿は殆ど動かないのに、ほんのわずかな反応があった。
ピクピクッ---
んっ?何かが餌を突いてる。
スッと竿をあげてみると、何も掛かっていない。
針先は?
エサがない!!
すぐにオカユ練りを付け替えて再び投入・・・
またすぐに反応が・・・
ピクピクッ---?
で、竿を上げるとエサだけが無くなっている。
そんなやり取りを一時間くらい続けていたら
ピクピクッ・・・
ピシッ---
絶妙のタイミング!!
今まで味わったことのない、何とも言えない可愛い釣り応え(笑)
スッ---と竿を上げてみると?
やっと獲物が顔を出した。
「ちっちぇー!!」
でも、何とも可愛い姿だった。
それが「クチボソ」なのだ。
それから、来る日も来る日も通ったのだ。
オジサンが教えてくれた釣り場に!!
何でハマったんでしょうね?
多分ですが・・・
釣りって、簡単に釣れたんじゃ面白くないんでしょう(笑)
なかなか釣れないから、釣れた時の感激が大きいんですね~
騙されたと思って、一度やってみて下さいな。
きっとハマりますよ~
それでは、またお会いしましょう。
さいなら、さいなら、さいなら~!!
僕と息子と釣り針と20 釣りの原点1 [クチボソからナマズまで]
私と釣りとの出逢いは、
確か中学生の頃のコイ釣りだったと思う。
自転車に釣り道具を乗せて、釣り場まで30分。
仕掛けは吸込み張りに練り餌。
適当な所に投げて、後はアタリを待つだけ。
竿の先に付けた鈴が、アタリを知らせてくれるのだ。
何が面白かったのか、釣れたどうかも殆ど記憶がない(笑)
それから約20年。
また釣りと再会するとは・・・
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あの当時、日本一汚いと言われた綾瀬川の近くに住んでいた。
息子が小学生になった頃、一緒に近所を散歩していた時に見かけた 銀ブナ釣り。
私はそれほど興味が無かったが、何故か息子が反応してしまった。
今では見違えるほど綺麗になったと聞いた事があるが
当時の綾瀬川は川の中がどうなっているのか、全く分からない位に濁っていた。
だから、近くで見ていても何を釣っているのか全く見当もつかない。
というよりも、魚が棲んでいるのかどうか怪しい位の透明度だったのだ。
そんな川のあちこちで、いい歳をしたオジサンたちが釣り糸を垂れていた。
近くで見ていると、オジサンたちは親切に釣り方の講義をしてくれた。
オジサン 「大切なのは、場所と餌と仕掛けだ!! で、何が一番重要だと思うかね?」
私 「 ん~、餌ですかねぇ?」
オジサン 「全部重要なんじゃよ、ワッハッハッハ~!!」
確かにそうだと思った。
息子にせがまれて、ほどなく近くの釣具屋へ。
もちろん、店の中にある道具の中で一番安いセットを二人分購入。
地獄のような銀ブナ釣りが始まってしまったのだ。
近所のドブ川でやる銀ブナ釣りを、けっして甘く見てはいけない。
初心者マークを付けた親子には、ちょっとハードルが高かったのだ。
何度足を運んでも、銀ブナは釣れなかった。
オジサンの教え・・・
エサと仕掛けと場所。
色々と試してみた。
やれることは全部やったような気がする。
で、やっと釣れた。日本一汚い川で。
ヘラブナ釣りは別にして、まさか銀ブナごときと思いきや・・・
何をするにしても、やはり基本が大事だという事だろう。
今もオジサン達は、綺麗になった綾瀬川で 釣り糸を垂れているのだろうか?
そんな事を考えながら・・・
私たち親子がもっとハマった釣りを思い出した。
それは「クチボソ釣り」だった。
遠い昔の記憶が甦ってきた。
「クチボソ」との出逢いを・・・
それでは、またお会いしましょう。
さいなら、さいなら、さいなら~!!