僕と息子と釣り針と12 臨場編その2 [渓流釣り・アマゴ]
TOTOの「Africa」が流れていた。
息子 「これ誰の曲?」
私 「TOTOだよ。」
息子 「へ~、何だかアフリカっぽくない?」
私 「だから~、アフリカって曲なんだよ」
山奥に向かう時は、クラプトンやスティングは似合わない。
海へのドライブには高中正義の「ブルー・ラグーン」と決めている。
だから今日の選曲はTOTOなのだ。
それで良いのだ~!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あれから一週間、彼女の事で頭はいっぱいだった。
確かにパーマークは確認できた。
でも逃げられた(-_-;)
残念とか悔しいとかじゃなく、悲しかった。
あの夜の反省会。
議題は「何故あと少しのところでしくじってしまったか」に決まっていた。
集中攻撃だった。
息子 「やっぱりさ~、あのタイミングで竿を立てちゃダメだよね!!」
私 「・・・・・」
息子 「竿はちょっと寝かせて引き寄せなきゃ。」
私 「・・・・・」
嫁 「一日中竿を振り回して、なんも釣れなかったの?」
私 「・・・・・」
嫁 「エサだって高いんでしょ?」
私 「・・・・・」
針の蓆(ムシロ)という言葉は、きっと私の為に造られたのだ。
そうとしか思えないくらい、とても悲しい夜だった。
あれから一週間、私は復讐に燃えていた。
TOTOの「Africa」を10回くらい聞いたところで、やっと釣り場に着いた。
あの時と同じ川の同じポイント。
玉網は忘れなかった。忘れる訳がなかった。
息子 「いよいよだね!!」
私 「行くぞ!!」
息子 「うん」
4月の下旬、暖かいような肌寒いような薄曇りの日曜日。
私と息子は姿勢を低くしたまま、彼女に気づかれないように
そっとその場所に近づいた。
そして、小さな声でつぶやいた。
「今夜の酒は、絶対に旨いぞ!!」
気が付くと、息子は竿を振っていた。
そこは俺のポイントなんだけどな~(-_-;)
てな具合に、また始まりましたよ~。
本当に釣れるんですかねぇ(-_-;)
えっ?どうでも良い?
はい、勝手に進めますから(笑)
それでは、またお会いしましょう。
さいなら、さいなら、さいなら!!
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